私も堂々と応援したいな……
と、落ち込んでいると
「山本、どうした?元気ないじゃん」
と、同じクラスの倉持裕翔(クラモチ ユウト)が話しかけて来た
「倉持君……そんなことないよ?」
確か、倉持君もサッカー部だったような………
「倉持君ってサッカー部だよね?明後日の試合頑張ってね」
「あ、もしかして丈治か?応援にくんだろ?」
「うん‼︎でもまた、隅の方でこっそり見てるだけかな……」
「は?なんでだよ?」
「丈治にブスは来るなって。ふふっ本当馬鹿だよね、私。」
と、言った瞬間。倉持君に抱き寄せられた。
「泣くな。」
「え、ないてなんか……」
私、泣いてる……どうしてだろう?私が我慢すればいいのに…
「ごめん。ゴミ入った……」
「俺の前では無理すんな。
俺は
お前が好きだ。」
嘘でしょ…
倉持君が私を…?
「でも、私には丈治が……」
「もう、お前の泣く姿見たくない。」
どうしよう…
でも、倉持君が彼氏だったら泣くこともないかもしれない…
「ごめんね。考えさせてください。」
と言って、その日は別れた
確かに、丈治は冷たい
でも、私は丈治が、大好きなの。
どうすればいいの?
試合の日になった
倉持君に会うかな?
ちょっと気まずい
会場に着くと、いつもの様に目立たないところに座った。
ここでいいかな……
丈治達は
ウォーミングアップをしている
やっぱり、丈治が1番キラキラしてるな……
そして、試合が始まった
前半戦
残り6分の時に、倉持君が一点目を決めた
かっこいいなと思った
丈治は、調子が悪いみたいでなかなか入らない
そして、そのまま前半戦が終わった
そして、昼の休憩の時間
私は一人でご飯を食べていると
「やっぱり、きてた。」
それは、
倉持君だった
「く、倉持君?」
「山本に似てると思ってきたら、そうだった」
「よく、気づいたね……ありがとう。」
「当たり前じゃん。
それで、返事決まった?」
「あ、ごめん……まだ…です…この試合終わったら返事する…ね…」
と.つい反射的に言ってしまった
「おう……頑張るから‼︎」
と、倉持君は、満面の笑みを浮かべてベンチに戻っていった
そして、いよいよ後半戦。
丈治達のチームは、
調子が悪く、1ー1で五分五分だった
そして、後半残り2分
丈治の綺麗なシュートで逆転した
私はそのシュートがあまりにも綺麗すぎて、固まってしまった
それと同時に思った
やっぱりこの人が、大好きだな
私は、倉持君にきちんと断った
そしたら、倉持君も
「そんな、好きなんじゃ仕方ねぇな」
と言ってくれた
私は頑張るから、丈治に好きになってもらえるように…
そして、今日は久しぶりに丈治と帰っている
丈治と帰れるのは、丈治の機嫌がいい時だけ
それと、もうすぐ丈治の誕生日
私は、付き合った当初の約束を果たそうとしている
そう。その約束は…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「丈治、行きたいところないの?」
「はあ?ブスとどこも行きたくねぇー。
あ.でもプロのサッカーの試合見にいきてーな」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私は、最後の丈治のつぶやきを聞き逃さなかった
誕生日プレゼントは、これしかないと思った
「ねぇ、丈治。」
「なんだよ、ブスは話しかけんな」
「丈治の誕生日2人で行きたいところあるんだけど……」
「あぁ?てめーとなんかどこも行かねえよ」
「でも……」
「でももくそもねぇんだよ、失せろブス‼︎」
私は、その時、自分の中で何かが壊れた音がした
もう…限界……
「丈治は、私と何で付き合ってるの?
いつも、私が我慢してばっかり…
最低だよ……
偽物の恋なんかいらない……」
私はとうとう、言ってしまった