愛する―君に出会えた奇跡―




俺の名前は平岡玲音<ヒラオカ レオ>



妹が手術することになった。


難しい手術らしい。


病名聞いたけどバカな俺には右から左。




でも、ここだけは流れなかった。





____5年後の生存率が








30%だと言うことを……。







妹の名前は七海<ナツミ>



まだ小学2年生。



七海の笑顔は向日葵みたいで、可愛い妹。




母さんからそれを聞いたとき



は?嘘だろ?



そう思った、でも



本当だった。




何でまだ幼い妹が病気になるんだろう




妹の未来はないって訳ではないけど



もし、もし……



未来が真っ黒に染まってしまったら




俺は、どうすれば__。







「お兄ちゃん!トランプしよー!」



七海は今トランプの『ババ抜き』にハマっている。



「おう、やろうか」





あと、妹とトランプは何回出来るんだろうか。



俺は、リビングのソファに座った。




七海はまだ、なにも知らない。




まだ……何も__。






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今日は土曜日。


今日の10時に七海は入院する



俺は朝から部活があったから部活が終わり次第病院へ向かう。



七海の手術は1週間後らしい。



昨日、七海は遠足に行くみたいにはしゃぎながらバッグに着替えをつめていた。




__まだ、8歳なんだぞ…………。









「おーい!玲音」




この声は



「武智」



こいつは武智翔<タケチ ショウ>


同じサッカー部で幼い頃からの友人だ。



「なんで、そんな暗い表情……って、そっか。今日だったか」



武智には妹のことは言ってある



「七海ちゃんにまた、見舞い行くって伝えといて」


「おう。」






「早く行こーぜ」



「あ!玲音待てって」



今日の部活も精一杯頑張ろう。




________



「玲音くん!はいタオル」



「あ、美羽<ミウ>サンキュ」



こいつは、サッカー部のマネージャーの長谷川<ハセガワ>美羽




頼りになるし、サポートしてくれる良きマネージャー。










「5分後に練習開始だからね!」



「__」



「平岡くん?」




「……え、あゴメン。5分後ね了解」



ぼっーとしてしまう俺。



「えっと、えっーと、あ!あたしのクラスにね不登校の子がいるんだ。」



元気がない俺に気を使ってくれたのか、何か話してくれるようだ。



暇だし……聞いとこう。




「……それで?」




「その子はね、実は不登校じゃなくて、からだが弱いからって入院してたんだって!」




無理やり話題を出したのか分からないけど




俺には大きなダメージをくらった。




事情をしらない美羽だから仕方ないんだけど……



「入院」って……。









________



部活が終わり



俺は今バスのなかにいる。



青南総合病院。



そこが妹の入院場所。



今日、病気の事伝えたらしいから泣いてるかもな……。




__




「22……1、9」



__2219号室。


メモ通りここまでやって来た。



ガラガラ―



「あ!お兄ちゃん!お菓子は?」



七海の第一声が、それか。




「……買ってねぇ」



思いっきり忘れてた……




お金は持ってきたから、



「今から買ってくるわ、何がいい?」



「プリン!あ、2個買ってきて!お姉ちゃんにあげるの!」




「おう」



そう返事をして出ていったものの



「お姉ちゃんって…誰だ?」




通りすがりの車イスに座ったおじさんがこっちに振り向いた。




いけねっ…



早く買いにいかねぇと。

















七海が好きなプリンを買った俺は、少し迷子になりながらも病室に着いた。



「七海ー買ってきたぞー」



…ん?


七海のそばには見た事ない女の子がいた。


七海が言ってたお姉ちゃんはあの子のことか…。




__その子は何かを心に抱えたような瞳だった。