慣れって恐ろしいね。
こんなんじゃいけないってことは、
ちゃんと分かってるんだけどね……。


「ねぇってば!」

「うわっ!な、何?!」

あたしは急に大声を出した神宮に、目をぱちくりさせた。

「何って、さっきからずっと呼んでるんだけど!」

「そ、そーか。で、どうしたんだよ?」

あたしはなるべく優しく聞いた。

「これから中庭に行こって言ってんの!!」

「え、なんで」

「私が行きたいからよっ」

うわー、自分勝手な奴。
行きたいなら一人で行けばいいじゃん。
あたしを巻き込まないでよね。

「あたしは行かな……」

い、と続けようとしたら、
すんごい笑顔で「行くよね?」と、言われてしまい、結局あたしも中庭へ行くことになった。

……だってね?
神宮の笑顔がなんかものスゴく怖かったんだもん。