「はぁーよかったぁ………。」
思わずため息まで出てしまった。
それぐらい緊張してたんだもん。
それなのに井ノ上くんは。
「うん。ホントうめぇ。―――じゃあ今度は……光葉が欲しいんだけどなぁ。」
そう言ってジリジリ近づいてくる。
「うッッ………それってどういう…」
意味、と言おうとしたところで、私の口は井ノ上くんの口によって塞がれた。
チュッとリップ音がして、井ノ上くんの口が離れる。
「……ぷはッッ!!」
「ふふッッ………お前やっぱ、始めてだったか??」
「そうに決まってるよ!!」
ていうか、わかっててそんな長いキスするとか……やっぱり井ノ上くんは意地悪だ。
「どうだ?? 始めてのキスは??」
「うッッ………意外に良かったよ…。」
恥ずかしかったけど、本当の事を言った。
井ノ上くんがまた、ニヤリと笑う。
「じゃあ、もう一回しようか………。」
そうしてもう一度、私達は甘ーい口づけを始めた…。
【END】