みんなが、走っている。


はは、誰が走ってるのかすら分かんないわwww


「……分かんないわァアア!!!!!」

叫ぶ。


でも、私は見えないから、周りの反応が分かんない。


とりあえず。



「札どこだよォオ!!!!!!」


必死に一枚捲る。



と、捲った瞬間に、予行の時が蘇る。



【好きな人】



あれだけは!!!あれだけは出ませんように!!!!!





つか読めない!!!!!!!!

必死に札を近付ける。




浮かんできた文字は




【好きな異性の人】




なななななな、なんだって…!?!?



異性!!!!!!
その手に出たか…!!!


異性異性異性異性!!!!


ぼや〜っと、黄色い鉢巻きをした集団が見える…

あそこが、五組だ…!!!!




やっぱり、一番仲良い男友達は悠太くんな訳だし…でも…!!



悠太くんには、彼女がいる。


しかも私、胡桃とは仲良い方だし…!



も、もう誰でもいいや。


「えっ!?」

手を取られた男子が驚く。


私は早口で対応する。


「ごめんお察しの通り私は今何も見えてなく借り物が好きな異性の人という難問でして今あなたが誰かも私は把握していないのでとりあえず今は話を合わせて下さい…!!!!」





二人でゴール。




息を切らしながら、



「はぁっ…おっ…俺…高橋だけど…」




私が引っ張ってきたのは、高橋 怜くんだった。