国語力が無い悠太くんを差し置いて、私は淡々と説明を始めた。

「じゃあ、時間取るので、周りの子とかと相談して下さい。」


そう私が言うと、再び教室内はざわめいた。


「松城、何にする?」

悠太くんに声をかけられた。

そりゃ、そうだろう。

私達の周りには、私達二人以外いないのだから。

「うーん…あまり運動得意じゃないから借り物かな〜…」

悠太くんは?と私が聞き返す。

「俺は多分綱引き」


…多分??

なぜ自分の種目に「多分」という単語を…


と、思った瞬間、

「悠太くーん!!!!俺らは綱引きだよなー!!!」

と、ある男子が悠太くんに話しかけた。

「高橋うっせぇよっ」


高橋 怜(たかはし れい)くん。
まだ話した事ないや…

「松城、そろそろ時間」

と、高瀬先生に指摘された。


「あっはい!じゃあそろそろ決めまーす!!」

そして無事に種目決めが終わった。



私は……借り物競争。

ヤッタアアアアア!!!!!!



悠太くんと高橋くんも無事綱引きになれたらしい。