「やばいっ、超おいしいっ」

こういうときってすごく幸せなんだよね。

「怜奈は何でもおいしそうに食べるよな。父さんがいつも喜んでるよ」

ふっと笑ってケーキを口いっぱいに詰め込む。

「口に付きすぎ。ばかはる」

そういって口に付いているクリームを指で取って舐めた。

「なっ。お前なあ......」

「クリーム甘くておいしいねっ」

「あのさあ......」

下を向きながら喋るはるちゃん。

小さい声だから聞こえないよ、もう。

なんかしたっけ?怒らせちゃったかな?

「はある。」

顔を覗き込むとすごく真っ赤。風邪?怒ってる?どうしよう。

「ゆでだこみたいだね。真っ赤じゃん」

大袈裟に笑うとうるせー、と頭を軽く叩かれた。

「......何よ、心配してやってんのに」

ボソっと言うとそれに気づいたのかはるちゃんが溜息をついた。

「お前といると忙しい。」

頭を掻きながらそんなこと言われても。

「はるちゃんといると百面相見れるから楽しいよ?」

「馬鹿にしてんだろ?おいコラ」

髪をぐしゃぐしゃにされてまた元のペースに戻った。

安心安心。