「さあ、行くぞー」
「ま、待って待って。」
自分の格好を目の前にある全身鏡が写していた。
ルームウェアが寝相のせいで半分脱げている...
「着替えるから一回部屋から出てって?」
恥ずかしさで自分の顔は真っ赤だ。
「分かってるよ。...あと、その、み、見えてるから。」
そう言って俯いて部屋から出て行ったはるちゃん。
「はあ?」
よく意味が分からない私は全身鏡でチェックした。
「し、下着見えてる...」
あまりの衝撃に絶句したものの、
急がなくちゃいけないからササッと洋服に着替えた。
ちょっとメイクをして部屋を出るとはるちゃんは待ちくたびれていた。
「今時の女子って手間が掛かるねえ」
疲れたように言ったはるちゃんの手を引いて階段を降りた。
「怜奈の家の階段って螺旋階段だから目が回る。ずっと手引いててよ。」
人の家の階段に文句言うなよ...
階段を降りて玄関に到着。
「お邪魔しましたー。」「いってきまーす。」
2人はまだ手を繋いだまま。
「なんか懐かしいなあ」
「何が?」
「ちっちゃい頃よく手繋いだよね。」
ふふ、と微笑んだはるちゃんが可愛く見える。
もともと垂れた目尻のはるちゃんが笑うともっと可愛く見えるんだよね。
少しの間歩いたらすぐにはるちゃんの家に到着した。