本番まであと二週間。
体育祭の練習が最近多めになってきたなあ。
「はいっ!」
息を荒くして走りながら、私にバトンを渡す。
全力で走りきる私に黄色い歓声が湧く。
「今日もお疲れっ」
汗を流しながら近寄ってくる澪。
「格好良すぎでやばいっ!さすがだわ」
「あはは、ありがとっ」
ここ最近毎日のように澪から褒められる。
「怜奈は優しいし頼れるし美人だし運動神経いいし!」
実はちょこっとだけ嬉しかったりするんだよね。
「そんなことないよ?」
「あるある!あー、でも頭悪いからなー。この前の数学の点数...」
おどけて言う澪の口を軽く塞ぎ、
「あー!!それ以上言わないでー!」
と叫ぶ。
澪とは一緒に居て本当に楽しい。
このままずっとこんな日が続いてたらいいのにな。