「雨宮くーん」
「ん?何?」
「サッカーのことなんだけどさ...」
教室で聞こえる仲良さそうな会話。
この前まで気にしてなかったくせに。
今更好きって気付いた...
「なーにやってんの?」
机にうつ伏せになる私の頭をぐしゃぐしゃに撫でるはるちゃん
嬉しいからちょっとされるがままにしておく。
「応答なし?寝てんの?」
「寝てない」
ニヤケる顔を隠すように顔を自分の腕に埋める。
「怜奈、いちごオレやるよ」
「マジで?本当に?」
がばっと勢いよく起き上がる。
「ほい」
机にちょこんと置かれたいちごオレ。
めちゃくちゃ嬉しい。
そんなとき、一番会いたくない子が目の前に立った。
「いいなぁ。私も欲しいっ」
「鈴木はまた今度な?」
「怜奈ー、ひと口分けて?」
「分けませーん」
笑いながらも少し嫌な感情を持ってしまう...
こんなの醜いよね。