学校の門まで行くと、先生が待ち伏せしていた。

「おい、佐藤」

無視して通り過ぎようとしたら腕を掴まれた。

「なんでしょう?」

「髪染めてるな?」

「染めてません」

小さい頃から茶髪...というか赤毛に近い色の私にとって一番の苦悩。

「その色は地毛じゃないだろ?」

「地毛ですが」

少し睨んでいる私に顔が引きつる先生。

「なら良い。さっさと学校の中に入れ」

玄関に行くとはるちゃんが溜息をついた。

「怖いよ、怜奈。迫力ありすぎでしょ」

「いやいや、茶髪は元からだよ?てかあの先生に入学式のときにも言われたんですけど」

「まあまあ。最初は勘違いしちゃうんだよ」

私をなだめる幼馴染は私より精神年齢が上だとつくづく思う。