「…梨奈が好きになったのも分かる。…でも…」

「…何だ。…茉子も好きになっちゃったんだ」

「ち、違…きゃああッ!!?」

…瞬間、手袋をしていた両手が真っ赤に染まった。

消しておかなきゃ…。

…存在する価値など無いのだから…。

茉子は、お腹に刺さったナイフの柄を握りしめながら崩れ落ちた。

「…おい!こっちから悲鳴が聞こえたぞ」

遠くから声が聞こえてきた。