「…大丈夫だよ。梨真…」

俺は梨真に手を差し伸べてみたが、梨真は首を横に振るばかりだった。

「…怖い…嫌ぁぁ…っ」

梨真は何かに怯えるように、ガタガタと震えていた。

俺が慌てて梨奈を見ると、梨奈が廊下に出るように薦めてきた。

「…やっぱり…。梨真…私を見たら、凄く怖がるんだ…」

廊下で、梨奈が寂しそうに呟いた。

「…え?」

「…私もちゃんとした理由は分からないんだけど…梨真…あの例の日から、ちょっと精神状態が崩れちゃったみたいで…」

「精神状態が…」