「…なんで渡さないの?」


そういって私に見せたのはさっきロッカーに入れたはずのバレンタインチョコ



「…それはっ」

「俺の事、好きじゃないの?」


!!?///


ずっと下に向けてた顔をバッと先輩の方へ向ける

「ずっと、待ってた」

「で、でも!!」



そんなはず、ないじゃない…


さっきの女の人にずっと好きだって、いってたじゃない


「期待させるようなこと言わないで下さい! 私、聞いてたんですから! 」

「そんなの知ってるし。お前がいるの分かってて言ったんだよ」


「でも付き合ってっ…」

「協力してもらってたの」

「えっ」

「だから付き合ってない」


「…ほんと?」


「ほんと。」


ホッとしたのか分からないけど私の目から大量の涙が溢れてきた


「な、泣くなって。俺どうしていいかわかんねぇよっ」


そっと近づいた先輩は私を引き寄せる


ぎゅーっと抱きしめたられ私の涙はぴたっと止まる


「だから泣くなよ」



優しく耳元で囁く声は私の心を満たしてくれた


なんて心地がいいんだろう


ずっとこのままでいたい――…