「あ、あの……さっきは助けてくれてありがとう…。あと、色々と…ごめんね」




場所を移動した私達はデパート裏にあるベンチに腰掛けていた。


少し時間が経って落ち着きを取り戻した私は言葉を選びながらゆっくりと喋る。





「私…自分の顔に自信なかったんだ。 見ての通り男顔だし身長だって高いしさ。

だから恋はしたかったけど心の奥で自分には恋なんて無理だ、って気持ちがあったんだと思う」





幸平くんは時々首を動かしながら真剣に私の話を聞いてくれている。





「だけどトナカイくんに会って、毎日が楽しかった。ふざけ合えるのが幸せだった。

そうしているうちにトナカイくんのこともっと知りたいって思うようになってて……。

だけどそれはトナカイくんにとって迷惑だったんじゃないか、って考えたら会わない方がいいと思ってしばらく会わないように避けてたんだ……。



……でも私の中は楽しかったトナカイくんとの思い出でいっぱいで、


会わない間がすごく辛かった」






これが私の気持ちの全てだった。




これを聞いた幸平くんはどう思っただろう……


もしかしたら今度こそ本気で引いてしまったかもしれない。





でも、今言わなきゃ絶対後悔する。



私は強くそう思っていた。





「……俺も言いたいことが」