「あ?誰だよてめ…………ゔっ!!」
喋り終わる前にチャラ男の一人は地面に思い切りふんぞり返っていた。
そして私の目先にはそのチャラ男に向かって真っすぐ伸びる長い腕。
そう、顔面を勢いよく殴ったのだ。
………見知らぬ誰かが。
「てめえらもだよ。さっさ手ぇ離せや」
見知らぬ誰かは低い声でそう呟くと残りのチャラ男二人にも容赦無く拳をぶつけていく。
「……ってぇな!てめえざけんなよ!」
チャラ男が殴られた頬を抑えながら反撃に出た。
チャラ男は大きく拳を振り上げるが見知らぬ誰かはいとも簡単にそれを受け止め、その腕を強く捻る。
「…いっ……てぇっ!!」
捻られた腕を抑え地面に転がり込むチャラ男。
…………が。
見知らぬ誰かの背後に忍び寄る影。
……そう、もう一人残っていたのだ。
「てめえよくもダチを殴ってくれたなあ!!」
ドガッ……と鈍い音が鳴り響く。
あ……っ!!
私は思わず両手で口を押さえた。
見知らぬ誰かはその衝撃で数歩後ずさりし体をゆらゆら揺らしていたが、
「……ッらぁ!!!」
ぐっと踏みとどまりチャラ男に強烈な一発を浴びせた。