鋭い目つきが向けられるが今の私はそれに怯むほど弱くはなかった。






……さっきから言わせておけば男顔だの可愛げないだの。


そんなこと、分かってるよ。
あんたらに言われなくても知ってるよ。




てかね…トナカイくんじゃないただ道で会っただけのチャラ男に、






「別に可愛げないと思われて結構よ」






真っすぐ目を見て言ってやると、チャラ男達の顔はみるみるうちに赤くなった。





「はァ⁉︎ んだとてめえ!!」


「せっかく可哀想なあんたに声かけてあげたっつーのに調子乗ってんじゃねーぞ!」





その瞬間、チャラ男の一人が私の腕を強く掴んできた。




「は、なしてよっ!!!」





私は腕を強く振るい、できる限りの力で抵抗をする。



けど、やっぱり男。

どれだけ抵抗しても男の力には敵わなかった。





「ちょっとてめぇこっち来いや!」





男が三人がかりで私を少しでも人が少ない場所に移動させようと引っ張ってくる。



大通りにあるデパートの裏。

そこは正面側に比べると街灯も少なく人の行き来も断然少ない。



こいつらは、そこに行こうとしている。






「誰かっ…助けて……!」





かすれる声でそう叫ぶも誰も私の方を振り向こうとしない。

……皆、気づかないふりをしてる。




こんな人通りの多い大通りで男三人に囲まれて抵抗している女がいるのに、気づかないはずがないじゃない。






……何で皆して見て見ぬフリすんの?



ねぇお願いだから誰かーー







「おい、お前らその手離せよ」