「このは先輩、お疲れなのに一緒に買い物頼んでしまってすいませんっ」
「あはは……全然いーよ! 彼氏さんへのクリスマスプレゼント、いい物見つかるといいね」
今日の帰りは部活の後輩である悠里(ユウリ)ちゃんと帰っていた。
悠里ちゃんはぱっちり二重で身長はバレー部にしては低い162センチの可愛らしい女の子。
でも見た目とはうらはらに思ったことを何でもズバズバ言う性格なので、一部の後輩バレー部員からはよく思われていないといつか噂で聞いた。
今日は悠里ちゃんが私の通学路の途中にあるデパートで彼氏のクリスマスプレゼントを買いたいということで付き添いをすることになったのだ。
そして偶然なことにそのデパートは私とトナカイくんがいつも話していた場所の真ん前にある。
昨日の今日でトナカイくんとは会いたくなかったから遠回りして帰ろうと思ってたんだけど、断るのが苦手な私は結局付き添いを承諾してしまったのだ。
「でも、今日もこのは先輩かっこよかったですよ!! あたし、このは先輩まじで憧れなんですよ〜。てか先輩が男だったら絶対好きになってます!!」
「あはは、悠里ちゃん褒めすぎっ!! そんなに褒めても何も出ないからね?」
表では頑張って笑ってみるけど、私の心はチクリと痛んだ。
…仕方ない、彼女に悪気はないのだから。
そんな話をしながら歩いていると目的のデパートは目の前となっていた。