そんな事を夢見心地に思っていたジャックは。

「……」

ロンの舌の感触でゆっくりと目を開ける。

酷く顔を舐め回されていた。

主を心配しての事なのだろうが、これは少々度が過ぎる。

「ロン…止せ」

軽くロンの顔を押し退ける。

「……」

ジャックは寝かされていた。

場所は帝難川沿いにある公園。

芝生の上に横たわり、英字新聞に包まれていた。

ホームレスが寒い時期に新聞で身を包んで眠ると、意外と暖が取れるという話を聞いた事がある。

はからずとも実証できた訳だ。