「あたしね、高校まで、ずっと陸上やってたの。涼子とは、1、2位を争うくらいだったのよっ??」

まあ、高2の時にケガしちゃって、陸上はやめたんだけどね、とすみれさんは続けた。


「瑠子ちゃんのことはね、昔からよく知ってる。涼子ね、あなたのこと本当に大好きだったのよ??」


「お母さんが……??」


正直、意外だった。

お母さんから直接その言葉は聞いたことなかったし、そういう人じゃなかったから。


「涼子、瑠子ちゃんが全中で優勝した時、すぐに私に報告してくれて。その時、あの子なんて言ったと思う??」

ふふっと笑い、すみれさんはその言葉を続けた。



温かいものが、あたしの頬を伝った。