「瑠子ー!
おつかれさまっ」

「ゆりもおつかれー!
ゆり、このままなら合宿行けそうじゃん!」

「うんっ!
琉太先輩も行けそうだから、一緒に行けたらいいなぁ」


相変わらず琉太先輩に一途なゆり。

最近のゆりはだいぶ調子いいみたいで、このままなら合宿も出れそうなんだ!

部活が終わって、一緒に帰る時はだいたいゆりの琉太先輩の話。

ほんと、すっごく一途で、いつも聞いてて飽きないんだよね。

体育祭の後、琉太先輩からゆりに話しかけてくれたみたいで、リレーよかったよ、って褒めてもらえたんだって!

その話聞いたときは、あたしまでキャーキャー言ってたっけ。


恋っていいなぁ……。


「そういえば、瑠子、体育祭のリレー凄かったよねー!
あれはほんとかっこよかった!」


体育祭が終わったあと、よくこんなことを言われる。

だいぶ有名になっちゃったみたいで……。


「瑠子はさ、なんで陸上やらないの??
あんなに速いんなら、インターハイだって夢じゃないでしょ??」


これを言われると、1番困る。

何回も言われてきたけどさぁ……。


「んー、まぁ、べつにリレーだって走りたくて走ったわけじゃないし、あんなに速く走れたのもたまたまだったと思うし……」


こんなこと、本当はぜんぜん思ってない。

本当は、ずっと走っていたい。

もう一度、走り始めたいのに……。