花火を見ているとき、一瞬あいつは寝ていたんだ。


そして閉じていた左の瞼をみると……。



ほくろが、あったんだ。




その瞬間、隣にいるヤツがあの夏原瑠子だと実感した。


夏祭りの後の駅でのあいつの反応はまさに、動揺そのものだった。



でも、疑問だけが浮かんでくる。


なぜあいつがこの高校にいるのか??
なぜ名前か変わった??
……なぜあいつは陸上をやめた??

あいつの家は俺の実家と同じあたりだからここからは飛行機でもすごく時間がかかる。


そこまでして、この高校の陸上部のマネージャーをする必要があったのか??


疑問だけが浮かんでくる。


そして思った。


もう一度、あいつの走っているところが見たい。



そして俺はあることを思いついた。


まってろよ……!