「……そうか。まあいいや。
電車乗り遅れるぞ、早く行きな」

裕斗先輩の顔を見れなかった。


「あ、はい……。
それじゃ、また!」

最後はなるべく笑顔でいつも通り元気に返事を返した。


そのあと電車になんとか乗り込んで、家の最寄りの駅まで無事到着。



でも、家に帰っても頭を駆け巡るのは裕斗先輩の言っていたこと。


どうして先輩が知ってるの??
なんで先輩にバレたの??
いったいいつ、あたしが夏原瑠子だって分かったの??


疑問ばかりがあたしの頭を駆け巡る。


だめだめっ。
あたしは高橋瑠子。

高橋、瑠子なんだから………。