「おっ、瑠子にゆりちゃん!」

最初にあたしたちに気づいた原田先輩。

「遅くなってすいません!」

「ぜんぜんいいよー!
よし、みんな揃ったところで行きますか!」

「「「おー!!!」」」


花火は神社の近くの川のあたりで打ち上げられるの。

だから土手に見に行くんだって!



土手に着くと、もう人、人、ひとーーー!!!!!

なんなんだ、この人の多さは!!!


「人多いなぁ………」

そう言ったのは裕斗先輩。

裕斗先輩は甚平姿。
男子は甚平のきまりなんだって!

「多いですよねー。
……あれ??みんないなくないですか??」

「うっわ、そうだな。

あーあ、俺たち迷子だぜ」


イタズラっぽく笑う裕斗先輩。
裕斗先輩って、こんなふうにも笑うんだぁ………。

いつもは物静かなタイプだから、新しい一面を見つけた気がするっ!

「あー……、電話も繋がらないです」

あたしは自分のスマホでゆりに電話をかけてみたけど、この人の多さのせいで電波が悪くなりすぎてる。

「んー、まぁいいや。
俺あんたとあんまり話したことなかったし、今日は2人で回ろ」

えっ…………。

「い、いいんですか??」

「俺はべつにいいよ。
多分このままだとあいつらとも会えなそうだしな」

「そうですねっ、じゃあ行きましょっ」


こうしてまさかのハプニング発生してしまったあたしたち。



これが、あたしの未来を変える出来事だった………。