「月美みたいな女は初めてだったよ。月美に出会えて良かった。ありがとう」 「……うんっ」 今だけ。 これが本当に本当の最後だから。 誰も、あたし達を見つけないで。 消せない罪を抱きながら離れる決意をしたあたしを、今だけ……。 軽く合わせただけの唇は、一瞬だったけど。 柔らかく暖かい、そのキスは甘い涙の味がした。