――ピンポーン♪
軽やかなチャイムの音に、一瞬その場に居た全員が玄関の方へと視線を向けた。
「あれ? まだ誰か来るの?」
「うん、これで最後かな」
インターホンで顔を確認すると、春がロックを解除する。
そして玄関に向かった春ともう一人、男の人の声が聞こえた。
ただ何となく、声が聞こえる方を見つめていただけだったのに。
ドアを開けて見えた姿に……息を呑んだ。
「おぉ。光(ヒカル)、やっと来た」
「光、遅刻かよー」
光。
そう友人に声をかけられている、その人はその名前がピッタリだったから。
その人が入って来た部屋は、一段と明るくなった気がして。
今まで沢山の人に出会ったと思うけど、こんな人は見たことがない。
なんて言えばいいのかわからないけど、その人の周りのオーラが違うというか……とても輝いて見えたんだ。
ただ、その人をボーッと見つめていたら目が合い、思わず持っていたワイングラスを落としそうになってしまった。
そんなあたしを見て、ニッコリと笑ったその人はすぐに友人へと視線を戻してしまう。