父と東吾さんと、光のお父さんと……光。
どうして笑って話せるの?
あたしは……
目の前がクラクラして“はじめまして”さっきの光の言葉が何度も頭の中をリピートしてる。
耳に届く笑い声がチクチクと胸に刺さって痛いよ。
あたしの事も……バレたんだよね。
今、何を思って笑っているの?
信じられない。って呆れてる?
最低な女だな。って落胆してる?
何て思ってるの?
「東吾君、次はあちらに挨拶に行くよ」
「あ、はい」
「ほら、月美も。……月美、どうした?」
気付くと、目の前に居た光の姿はなく。
不安そうに、あたしを見つめる父と東吾さんの姿があった。