「ねぇ、光」
あれから、あたしは光の部屋のベッドの上で何度も体を重ねていた。
いけない、そうはわかっていても。
光の声を聞くだけで胸が苦しくなる。
光を思い出すだけで、胸が痛くなる。
光に会いたくて会いたくて仕方なくなってしまうんだ。
「ん?」
「もし夢が叶うとしたら何を願う?」
「夢?」
「そう。どんな夢でも叶うの」
寝転びながら、ブラインドをあげた部屋には月明かりだけ。
今日は綺麗な満月だ。
雲ひとつない空を見上げると、小さな星達が輝いていた。
「夢ねぇ~。月美がそんな事言うなんて意外だな」
「あ、また馬鹿にして! そんな夢のない男だと女の子に嫌われるわよ」
クスクス笑う光を睨みながら、頬を膨らませた。
あたしだって、たまには可愛らしい事を言ったりするんだからっ。
「例えば月美とか?」
なんて笑うのを止め、優しい顔で聞いてくるなんて……
「セコイ」
ちょっと怒ってみたのに。
そんな顔されたら、ドキドキして何も言えなくなる。
そっぽを向くあたしの髪に指を通し
「月美の夢は?」
と逆に質問されてしまった。