「おい、十六夜を刹那の墓に連れて行くぞ」
大広間に居る翔炎、十史郎をはじめとする天堂の百鬼たちと獅蛇にこれからの指示を出す
「何で刹那の墓?」
「理由は分からんが今かよ、大丈夫なのか」
どうして刹那の墓なのか、今は無茶だと声があがるが天堂にも分からない
「十六夜にしか分からねぇことがあると思う。…仕掛けてくるのを承知で行く。気ぃ抜くな、準備しろ」
ばたばた動く百鬼たち。自室へ向かいぐったりしている十六夜に何枚もの掛け物をぐるぐる巻きにし、白い襟巻きもして身体を冷やさないようにする
「敵が来る可能性が高いがこれから向かうぞ?百鬼や獅蛇、翔炎に十史郎も居るから心配するな…」
うっすら微笑んだ十六夜をゆっくり抱き上げ、胸に遠慮無く凭れさせるとすぐに目を閉じてしまった
体力の消耗が激しい
十六夜は大妖怪。その十六夜がまさかこんなに弱るとは…苦痛が相当負担になっているようだ
「大丈夫じゃ、すぐ終わる…」
十六夜の頭に顔を埋める天堂
十六夜にかけた言葉は自分を安心させるものでもあった