ガチャ…
「ゴホゴホっ。」
空き室のドアを開けたとたん、
長いこと掃除してないだろうと思われるホコリとかチリがまいあがってきた。
「き、きたない。」
私が言ったとおり、
お世辞でも綺麗とよべる部屋ではなかった。
「ひかる、これ、ここでいい?」
「え!あ、うんっ!」
悠くんは私の返事を聞くと
ダンボールを机の上に置いて、
隣にあったソファに座った。
「ゴホゴホっ」
悠くんがホコリまみれのソファに座った途端、
さらにまいあがってきたホコリで
アレルギーの私はむせてしまった。
「大丈夫か?」
心配そうに私の顔をのぞく悠くん。
「大丈夫だよ。ありがとう」
私がそう返事をすると、
悠くんはニコッと笑い、ソファに座った。
キーンコーンカーンコーン。
「チャイムなったけど、ひかる授業は?」
「え?」
授業…?
はっ!
私、授業いかなくちゃ!
「わ、忘れてた!」
「ぷっ笑」
「な、なんで笑うのー⁉︎」
「ははっ、お前かわいすぎ笑」
「か、かわいくないっ」
私は悠くんに笑われたことよりも、
かわいいっていわれたほうが
なぜか心に残っていた。
「なぁ、ひかる、」
「ん?」
「お前…あいつのことがすきなのか?」
「ほぇ…?」
あいつ…好き…?
私は何のことかわからなく、
悠くんの顔をみた。
ードキッ
目があい、私のことを真剣にみつめる悠くん。
「悠くん…?」
いつもの笑顔の悠くんじゃなく、
真剣な眼差しでみつめてる悠くん。
ードキドキ…
「ゆ、悠くん…?」