ここはどこだ?
俺はどこにいるんだ?
俺はー…
死んでしまったのか?
「ーさん、松田さん、目覚めましたか?」
目を開けると、
笑顔で俺の顔を覗き込む看護婦がいた。
俺、病院に運ばれたんだー…
悠斗にひかるが好きだ、と伝えた後、
授業に戻ったが、吐き気がし、
倒れたんだった…
「点滴しますね」
「あ、はい」
俺の今の姿をひかるがみたら、
嫌な顔、するだろうか…
管がいっぱいなこんな俺を…
ひかるは嫌うだろうか。
「じゃあ、また明日来ますね、おやすみ」
「あ、はい、おやすみなさい」
いつの間にか、
点滴は終わっていて、
仕事が終わった看護婦さんは
病室からでていった。
明日か…
それまで一人か…
俺には家族がいない。
両親、二人とも、
俺が小さい頃に帰らぬ人となった。
「俺、死んじゃうのかなぁ…」
ポツリとつぶやいた独り言。
誰もいない、病室でただ一人、
静かに涙を流して眠りについたー