「ーかる」
笑顔で語りかける、二人の男の子。
「なぁに⁇」
私が返事をすると二人はニコっと笑い
私の側から離れていく。
「えっ、まってっ」
私が語りかけても返事はない
「待って、待ってよっ…」
私がそう呼びかけたら二人の男の子が振り向いた。
「ーかる」
待ってね、いまいくかー
「らっ‼︎」
「ひかる、いつまで寝てるの⁈」
「ったぁ…」
バシッとお尻を叩かれ、幸せ?な夢から
現実へと引き戻された。
「ひかる‼︎あんた何時にでるのよ?」
何時って…⁇
今日は入学式だから…
「八時⁇」
「はぁ…もう、50分よっ‼︎」
50分⁇6時⁇
そう思い時計に目をやると…
「し、7時50分っっ⁈」
何度、見直しても50分。
「ち、遅刻しちゃう〜‼︎」
私は慌てて洗面所へ行き、
新しい制服を着て歯を磨く。
「うぅーっ、おめかしするつもりだったのにぃ」
なんて嘆いてる暇もなく、
遅れないように急いで準備する。
「いってきまーすっ」
お母さんのいってらっしゃいも聞かずに
玄関を飛び出し、猛ダッシュする。
私、成瀬ひかる
中学の時から週3ぐらい、
慌てた朝を迎えてます。
ああ〜ッ、憧れの夢見てた高校生活の
始まりなのに…
こんな朝からスタートだなんてぇ〜泣
私は半泣きになりながら、
なんとか学校に着き、
自分のクラスへと急いだ。