龍牙を引っ張って来たのは、少し歩いた所にある、ブランコ、滑り台、シーソーしかない小さな公園。



龍牙の腕を掴んでいた手を離し、真正面に向き合う。




「……龍牙、聞いて?」


「……」



顔を背けて横を向いている龍牙に、私は勇気を出して言った。




「あのね、龍牙の過去、聞いたの」


「!」




私の言葉に、龍牙が驚いた顔をしてこっちを見る。




「誰に聞いた?」


「愁季くん……」




龍牙は舌打ちをすると、またそっぽを向いてしまう。