私は次の日の放課後、愁季くんにお願いして、龍牙の過去を教えてもらった。



龍牙の過去は、想像していたものよりも、悲しくて残酷なものだった。




なんで龍牙があそこまで女の子が嫌いなのか。

なんで誰も好きにならないと言い張るのか。



龍牙の過去を聞けば全て理解できた。




「この間、仕事に行った帰りに、龍牙の過去と被るような事があったんだ」




愁季くんは、その日目撃した自殺現場、残された幼い男の子のことを話してくれた。



そして、そのことがきっかけで龍牙の心は更に固く閉ざされてしまったことも話してくれた。




やっぱり、過去が原因だったんだね……。




「……私、龍牙を助けなきゃ」



ちゃんと、無理矢理にでも向き合わなきゃ。