涼しい風が吹く日だった。
担任が教室に入り、口を開く。

「転入生を紹介する」

教室がざわつく。

「ゆーと、転入生だって」

茜が話しかけてくる。

「この時期珍しいな…

俺が話し終わるのを待たずに、
教室のドアがガラガラと開く、

担任がチョークで書いた字を見て
俺の動きが止まる。

「朝比奈翔太くんだ」

「よろしくお願いします」

肩が震えた。