シルスは
頭が真っ白になっていた。


外に出ると
雨が降っていた。

「僕はどこまでついてないんだろう。」


「罰が当たったのかな…」



シルスは
降り注ぐ雨にうたれながら
暗い夜道を歩く。


始めて感じる感情。
そして初めて頬をつたう暖かな雫が
流れるのを感じた。


裸体に冷たい水滴が
つき体を冷やして行く。


「でも…殺しから…解放される。…もう。殺さ…くてもいいんだ。」




シルスは
力なく微笑むと
鬱蒼としたしげみに
腰を下ろした。


終始
無言が続き雨にうたれながら
シルスはぼーっとしていた。