〜楓side〜
なんだろ?この感じふわふわ浮いてる感じ
でも、少し痛みがある。私は何してるんだろう。
「………えで…かえで…………楓!!」
「…ん……そ………た?」
そうだ。私は襲われて……………
颯太は、さっきからずっと謝ってる。颯太は私を見つけてくれた。
なんで、謝るの?
「謝らないで。颯太は何も悪くないから。」
「でも、ごめんな。俺がもっと早く来ていれば………」
「颯太は、私を見つけてくれた。嬉しいよ?」
「楓………ありがとな。そうだ!!何かされたか?」
「意識失ってて分からないの………でも、多分大丈夫!!ぴんぴんしてるし!!」
「本当か?本当に大丈夫なんだな?」
「うん!!大丈夫だよ」
そう言うと、颯太は安堵の表情になった。
うん。この時から、不幸が始まっていたんだね。軽く考えすぎてたよ。なんでいつも私なのかな?
それから、颯太に
「今日は、帰って休んで。またデートは今度にしよう。な?」
と、言ってその日は別れた。
うん。大丈夫だよね?
これから、だよね?
それから、数ヶ月たった。
颯太とは、上手くいっている。順調だ。
そう思ってたある日
「うっ!!」
私は、朝食中に吐き気を覚えた。
すぐ、洗面台へ行った。
なんだろ?確かに最近体調が優れなかった。
まさかーーー…。
私は、あの事を思い出してしまった。
まさか、ね。
でも、生活を思い出してみると、生理が全く来ていない。
私は、かなりくる日がバラバラなので、特に気にしてはいなかったが、改めて考えると、
私はーーーー…。
妊娠しているの?
すぐに、薬局へ行き、検査薬を買った。
私はあの時意識がなかったが、もしかするとーーーー…。
と、考えてしまった。
トイレへ行き。調べてみる。
私は陰性を願った。
お願いお願いお願い。
結果は、
陽性ーーーーーーー…。
私は、固まった。どうしたらいいか、分からなかった。
たった17歳の私が何を出来るの?
私は泣いた。誰にも気づかれることなくずっと………
すこしして、泣き止んだ。
これは、私の責任。誰のせいでもない私のせい。
颯太に電話を掛けた。
颯太は、ワンコールで出た。
「あ、もしもし?楓か?大丈夫なのか?心配してるんだぞ」
「颯太………ごめんね。………ごめんね。颯太………」
「か、楓?なに泣いてるんだ?どうした、具合でも悪いのか?」
「颯太、私と別れて欲しい」
「は??いきなり何を言ってんだ?」
やっぱり、颯太は驚いている。でも、ちゃんと話さなくちゃ
「あのね?私、妊娠してたの…………」
「は?何それ………」
怒るよね。そりゃそう。だって颯太とは今まで、キス以上の事してないもんね。
「颯太。今までありがとね」
「楓!!」
「バイバイ」
そこで、電話を切った。
これで、もうおしまい。私と颯太の恋は終わったの。
これからは、1人で頑張らなくちゃ。
私は、それから、家に帰った。
家に帰ると、すぐにお母さんが玄関に出てきた。
「おかえりなさい。大丈夫だったの?」
「お母さん。いまから大事な話するから、リビングで待ってて」
お母さんは、何が始まるんだという感じだった
そして、私は着替えてリビングへ行った。
お母さんは心配そうなおもむきでいた。
「急に話なんて、どうしたの?」
「あのね。お母さん。私………妊娠してたの…。」
私は、俯いていて、お母さんの表情は分からなかった
それから、しばらく沈黙が続いた。私は顔を上げた。
びっくりした
お母さんが泣いていたからだ。
生まれてから私は1度もお母さんの泣いた顔は見たことがない。
だから、私が泣かせたのかと思うと悲しくなった。
ごめんなさい。お母さん、こんな娘でごめんなさい。
それから、颯太の子ではない事と、別れた事を話した。
「………本当に、本当に颯太君の子じゃないのね?」
「ごめんなさい。颯太の子ではないの。」
「あなたは、どうしたいの?」
「産みたい。」
私は始めから産むつもりだった。誰の子とはいえ、私のところへきてくれた命。大切なこの命。大事にしたい
「楓。分かってると思うけどね。産むのは簡単なことじゃないのよ?それに、父親もいない。それでも、この子を産むのね?」
「うん。産みたい」
「そう………」
やっぱり、反対なのかな?とドキドキしていると、
「あなたがそんなに言うなら、産みなさい。私は何も言わないわ。」
嘘。産んでも、いいの………?
「ありがとう。お母さん。ありがとう………」
私は感謝し続けた。
ありがとう。お母さん、私はお母さんの子供でとても幸せです。この子は一生大切にします。
私は、そう強く思った。