「秋桜の花言葉、静香ちゃんは知ってる?」
巴は物知りで、花が大好きだった。
カフェで珈琲を飲みながら彼は言う。
彼は小説家で私と違って高校には行かなかったらしい。
だからかな、年上のはずなのに少し幼いところがある。
「知らない、けど。知りたいっ!教えて?」
「ふふ、教えてあげるよ」
でも、時たま年上の余裕、って奴を見せてくる。
長く伸びた前髪をかきあげる仕草に胸が高鳴る。
そんな私の心を知ってるんだか、知らないんだか。
巴はさらり、と言う。
「乙女の愛情、だよ」
赤くなっているであろう私の頬に冷たい手を当てて彼はくすくすと笑った。
でも、どんなに恥ずかしくても私はこの瞬間が大好き。
二人だけのこの瞬間が。
巴は物知りで、花が大好きだった。
カフェで珈琲を飲みながら彼は言う。
彼は小説家で私と違って高校には行かなかったらしい。
だからかな、年上のはずなのに少し幼いところがある。
「知らない、けど。知りたいっ!教えて?」
「ふふ、教えてあげるよ」
でも、時たま年上の余裕、って奴を見せてくる。
長く伸びた前髪をかきあげる仕草に胸が高鳴る。
そんな私の心を知ってるんだか、知らないんだか。
巴はさらり、と言う。
「乙女の愛情、だよ」
赤くなっているであろう私の頬に冷たい手を当てて彼はくすくすと笑った。
でも、どんなに恥ずかしくても私はこの瞬間が大好き。
二人だけのこの瞬間が。