「…………し、ずか、ちゃん?」

小さく声が聞こえた。

「巴っ!?」

握っていた指が少し握り返される。

「静香、ちゃん」

「バカッ、バカバカバカ!巴の馬鹿!」

散々心配かけて。

バカ。

大好きだよ、バカ!

「泣かないで、静香ちゃん」

「泣いてないよ、バカ」

「泣いてるよ」

嘘?

ぽろぽろと涙が巴の手に落ちていた。

私、泣いてる?