すると紀和井先生は丁寧に挨拶をしてから、黒ブチの眼鏡を押し上げて、
「皆さんの入部する部活を確認します」
と、いつも通りの真面目すぎる声と口調で言った。
その時私は何故か嫌な予感がしていた。
「では、男子から出席番号順に言っていきます。」
どうしてだろうか。
私は一生懸命祈っていた。
バスケ部でありますように!と。
私は何を考えているんだ…とも思う。
だって普通に手続きができていればバスケ部に入部できるはずだから。
普通に手続きができていれば…
「女子にいきます。まず天川奏音さん、吹奏楽部」