「千景っ…早く来てよ…っ」

私は、今日もこの場所で泣いている。

……"帰ろう"

そう思い立ち上がりふと横を見る。

「…綾仔、来たよ。」

…え?

「ぇ…ち、かげ…!?」

久しぶりの千景の姿があった。

「待たしてごめんね。
…また泣いたの?
相変わらず泣き虫だなぁ」

千景はそう言いながら私に近づいた。

「何、で…」

泣いていたのと驚きで掠れた声しか出なかった。

「何でって?俺が言ったことだもん。
約束は守らなきゃ…って、守れてないか(笑)」

千景は笑いながら言った。

「………っ」

言葉が出なかった。

だって、笑い方があの時と全然変わってなかったから…。

「…あのさ、綾仔。」

急に千景が改まって話し始めた…。

「________...。」

そう、千景が言ったのは
あの時から8年たったある夏の日……