城から出て、私たちは途方に暮れる。
「ビルの家に居るって…本当かな。」
「さぁな。…けど、どの道俺らはビルの家を知らねぇんだ。誰かに聞くか…城に戻って手掛かりを探すか、だな。」
「今から城に戻るのは、あまり気が進みませんね。」
「…そうよね」
立ち止まる。
と、白兎が首にかかった懐中時計を見た。
「おかしいですね」
少し首をかしげて、懐中時計を見る白兎が言った。
「え?なにが?」
問うと、私と猫に白兎が時計を見せる。
「時計が止まっています」
「電池ぎれとかじゃないの…?」
「いえ…」
白兎は時計を閉じ、ぎゅっと時計を握った。
「この時計は、初代アリスが生まれてきてから一度だって止まったことはありません。
白兎の時計ですからね。」
いつになく真剣な顔の白兎。
でも、時計が止まるのはそんなに重要なことなの?
そう思いながら猫の顔を見ると
「…」
猫も凄く真剣な面持ちだった。
…なんなの…?
「…これは、どういうことだ」
「…危ないですね…急がなくては」
いきなり歩き出す二人。
え?私には説明なしなの?
「ち、ちょっと…待ってよ!」
私はまだ近くに居る猫の服をひっぱった。
すると猫は、鬱陶しそうに振り返り、白兎も振り返り。
「なんだよアリス。
…お前はなんにも知らねぇんだな…」
「…お母さん、なんにも教えてくれないんだもの…。アリスのお話しかしてくれなかったよ。」
猫は浅く溜め息をついて、私の手を軽くはらうとまた歩き出して
「歩きながら話してやるから…ちゃんとついてこいよ」
「…うん」
早足の二人に、私は小走りでついていった。
「ビルの家に居るって…本当かな。」
「さぁな。…けど、どの道俺らはビルの家を知らねぇんだ。誰かに聞くか…城に戻って手掛かりを探すか、だな。」
「今から城に戻るのは、あまり気が進みませんね。」
「…そうよね」
立ち止まる。
と、白兎が首にかかった懐中時計を見た。
「おかしいですね」
少し首をかしげて、懐中時計を見る白兎が言った。
「え?なにが?」
問うと、私と猫に白兎が時計を見せる。
「時計が止まっています」
「電池ぎれとかじゃないの…?」
「いえ…」
白兎は時計を閉じ、ぎゅっと時計を握った。
「この時計は、初代アリスが生まれてきてから一度だって止まったことはありません。
白兎の時計ですからね。」
いつになく真剣な顔の白兎。
でも、時計が止まるのはそんなに重要なことなの?
そう思いながら猫の顔を見ると
「…」
猫も凄く真剣な面持ちだった。
…なんなの…?
「…これは、どういうことだ」
「…危ないですね…急がなくては」
いきなり歩き出す二人。
え?私には説明なしなの?
「ち、ちょっと…待ってよ!」
私はまだ近くに居る猫の服をひっぱった。
すると猫は、鬱陶しそうに振り返り、白兎も振り返り。
「なんだよアリス。
…お前はなんにも知らねぇんだな…」
「…お母さん、なんにも教えてくれないんだもの…。アリスのお話しかしてくれなかったよ。」
猫は浅く溜め息をついて、私の手を軽くはらうとまた歩き出して
「歩きながら話してやるから…ちゃんとついてこいよ」
「…うん」
早足の二人に、私は小走りでついていった。