女王様が居る部屋の、大きな扉の前。
ドアノブを握って、私は少したじろぐ。
「どうした?俺が開けてやろうか。」
「…大丈夫」
それじゃあ意味がない。
私はドアノブをぐっと握り直した。
「…開けるよ」
ギ
ギィィ…
古めかしい音を城内いっぱいに響かせて、扉が開く。
そこに女王様は
…居なかった。
「…なにこれ」
「…さあな…」
女王の代わりに、この広い部屋中にはハートのクイーンがびっしりと張られていた。
「『COME BACK WONDER WORLD』…不思議の国よ戻って来い…か」
トランプの上に書かれた文字を猫が読んだ。
「…戻って来い…」
「女王は、この世界を再生させたかったのか…」
再生。
そうか…そうだよね
みんな人間だし。
猫は逃げちゃうし。
「…探さなきゃ。
…探して、お話しなきゃ。」
「そうだな。」
それに、白兎も心配だし。
…そうだよ、白兎も一緒にどっか行っちゃったの?
「待てアリス。」
「え?」
部屋中を歩き回る私を、猫が止めた。
「白兎の匂いだ」
「えっ…?」
「そこ」
私の足下を指差して猫が言った。
「…どういうこと」
「地下でもあるんじゃねぇのか?」
…なるほど。
私はその場に座ってトランプをどけた。「…扉がある」
「やっぱりな。」
あるけど…ちっちゃい。
私の手よりは少し大きいけど、とても入れそうにない。
「…」
「ま、小さくなるほかないだろ。」
「だよね…」
…でも、どうやって小さくなるのかな…
私はきょろきょろと辺りを見回す。
「どうすれば小さくなれるのかな」
「…トランプ」
「え?」
「トランプじゃねぇの?こんだけあるんだから。」
「…根拠は?」
「野生の勘」
…。
ドアノブを握って、私は少したじろぐ。
「どうした?俺が開けてやろうか。」
「…大丈夫」
それじゃあ意味がない。
私はドアノブをぐっと握り直した。
「…開けるよ」
ギ
ギィィ…
古めかしい音を城内いっぱいに響かせて、扉が開く。
そこに女王様は
…居なかった。
「…なにこれ」
「…さあな…」
女王の代わりに、この広い部屋中にはハートのクイーンがびっしりと張られていた。
「『COME BACK WONDER WORLD』…不思議の国よ戻って来い…か」
トランプの上に書かれた文字を猫が読んだ。
「…戻って来い…」
「女王は、この世界を再生させたかったのか…」
再生。
そうか…そうだよね
みんな人間だし。
猫は逃げちゃうし。
「…探さなきゃ。
…探して、お話しなきゃ。」
「そうだな。」
それに、白兎も心配だし。
…そうだよ、白兎も一緒にどっか行っちゃったの?
「待てアリス。」
「え?」
部屋中を歩き回る私を、猫が止めた。
「白兎の匂いだ」
「えっ…?」
「そこ」
私の足下を指差して猫が言った。
「…どういうこと」
「地下でもあるんじゃねぇのか?」
…なるほど。
私はその場に座ってトランプをどけた。「…扉がある」
「やっぱりな。」
あるけど…ちっちゃい。
私の手よりは少し大きいけど、とても入れそうにない。
「…」
「ま、小さくなるほかないだろ。」
「だよね…」
…でも、どうやって小さくなるのかな…
私はきょろきょろと辺りを見回す。
「どうすれば小さくなれるのかな」
「…トランプ」
「え?」
「トランプじゃねぇの?こんだけあるんだから。」
「…根拠は?」
「野生の勘」
…。