「…ここ?」
「はい…ここです…」
目の前には、赤い屋根に小さな煙突のある、やっぱり小さな家。
「可愛いお家…」
私は言った。
こんな可愛いお家に、そんなひどい人――白兎が苦手な理由はわからないけど――が住むわけないよ。
うん。確証はないけど。
ちらりと兎の顔を見ると、やっぱり浮かない顔をしていた。
私が
「とりあえず入りましょうよ」
と言うと、兎の顔が少し緊張した。
扉をノックする。
…なんか、すごい傷だらけなのが気になったけど…
「すみません、帽子屋さん…いらっしゃいま」
ずだ、と。
目の前に、鋭い銀色。
「あ、ああ、アリス!
アリス!お怪我はありませ」
どす、ともう一つ。
今度はさっきより深く突き刺さって、銀色の半分が見えた。
私はそれを見る。
包丁だ。
「…」
「…だから言ったでしょう?アリス…」
言う兎の顔は青ざめて――いや…私も負けず劣らず青ざめてるかも…――いた。
「はい…ここです…」
目の前には、赤い屋根に小さな煙突のある、やっぱり小さな家。
「可愛いお家…」
私は言った。
こんな可愛いお家に、そんなひどい人――白兎が苦手な理由はわからないけど――が住むわけないよ。
うん。確証はないけど。
ちらりと兎の顔を見ると、やっぱり浮かない顔をしていた。
私が
「とりあえず入りましょうよ」
と言うと、兎の顔が少し緊張した。
扉をノックする。
…なんか、すごい傷だらけなのが気になったけど…
「すみません、帽子屋さん…いらっしゃいま」
ずだ、と。
目の前に、鋭い銀色。
「あ、ああ、アリス!
アリス!お怪我はありませ」
どす、ともう一つ。
今度はさっきより深く突き刺さって、銀色の半分が見えた。
私はそれを見る。
包丁だ。
「…」
「…だから言ったでしょう?アリス…」
言う兎の顔は青ざめて――いや…私も負けず劣らず青ざめてるかも…――いた。