「月見里君のことです、けど?」

かぁっと彼の顔も赤くなっていく。

「僕も。理恵ちゃんのこと考えてた」

こちらの顔も同じように赤くなっているんだろうな。

「ねえ、キス。していーい?」

むしろ付き合ってから全然してなかったことに驚く。

付き合う前はあんなにしてきたくせに。

「嫌。って言うとでも?」

私の返事に答えずに唇が重なる。

甘い。

優しい。

どんどん月見里君に溺れていく。

それでいいのか、駄目なのか。

答えなんかわかりきっているけれど。

まだ、=で答えを出したくなかった。

国語の問題みたいに無限の答えの選択肢の海の中に私は今居るのだから。

とくん、とくん。

心臓が煩く音を立て。

わからない。

恋なんて感情が。

初めてで。

一生経験することなんかないと思っていた感情に自分が振り回されてるのが自覚出来る。

小さな時から数字にしか興味がなくて、数字だけは私を裏切らなかった。

今、数字以外に頼れるものが出来て混乱している。

あたたかくって安心出来る場所に嬉しさと共に不安を感じてる私は彼女として、いいのかな。

大丈夫だよね。

月見里君。

教えてよ。