「高校入ってさ。数学一位の理恵ちゃんの名前を見たとき、少し夢を見た」

「みゆも、数学得意だったから。でね、理恵ちゃんを見て」

「失礼だけど、みゆの生まれ変わりかと思った。ごめん」

弱々しい、今にも崩れて壊れそうな笑顔。

「でも、これだけは信じて欲しい」

「僕は、理恵ちゃんだから好きなんだ」

真剣。

気圧されるほどの眼光。

「ははっ、信じられないよね?でもね、理恵ちゃんに告白した日の夜、夢にみゆが出てきたんだ」

「怒られちゃった」

『私はもう死んじゃってるんだから。あの女の子の事を私に似てるからって好きにならないで!すっごく失礼』

「ってね」

「怖かったなぁ。みゆがあんな顔してんの生きてたときに見れなかったもん」

ぼろぼろと涙を流す月見里君。

ずきずきと心が痛んだ。