「そうよ、私は傷付きたくないの。だから傷付ける対象である男を嫌って避けてる。傷付きたい人間なんているわけない」



人間誰だって自分が一番可愛い。




「俺だったら傷付けない」


──俺だけは芽依の味方だから。



いつかの空の台詞を思い出す。


男は嫌い。自分勝手で純粋な恋心さえも弄ぶから。

傷付けても罪悪感さえ抱かず、傷付いた方がバカだとさえ言う。





「嫌いなの、男なんて。もう傷付きたくないの。…何で分かってくれないの」