「さっきから嘘だ嘘だって否定ばっかりして、なんなの?」


「だって芽依ちゃんが本当のこと言わないから」


「だから、嘘じゃないって言ってるじゃん!」





感情的なのは私で、冷静さを崩さないのは壁。

いつもと真逆。






「芽依ちゃんは男嫌いなんじゃなくて、臆病になってるだけ。そう言って自分を守ってるんでしょ?

──傷付くのが怖いから」




全てを分かってるみたいな口調も、私を見るその瞳も

無性に腹が立つ。


だけど、もっと腹が立つのは私のことなんて大して知らない壁の言ったことが

あながち間違いじゃないってこと。