「じゃあ、教科書は?」 「忘れたの」 「嘘だ」 「嘘じゃない!」 不安定すぎる。感情の波が激しくてどう見ても不自然だ。 あまり喋るとボロが出そうな気がして怖い。 やっぱり早く切り上げなきゃ。 「俺は、芽依ちゃんが心配なんだよ」 「心配しなきゃ良いじゃん。ほっといてよ」 そしたら誰も傷付かずにすむんだから。