やがて連れてこられたのは、屋上で。 そこでやっと私の腕は解放された。 「何のつもりよ…っ」 いつもと同じように言ったつもりが、明らかに声が震えて勢いがない。 おかしいな、さっきまで冷静だったのに。 これじゃ不審に思われても仕方がない。 出来れば早く終わらせたい。 壁とは一緒にいたくない。 「なに隠してるの?」 「別に何も隠してないけど…」